旅芸人の日記

酒、食べ物、宿、温泉、たまに高等教育

新テスト

朝刊に出ていた新テスト(大学入学共通テスト(仮称))の例題を見たましたが、数学は国立の二次試験対策をしていれば問題無いと思いますが、国語は制限時間内に回答するためには読解力以上に知識量(幅広い知識)が問われるような気がしました。合教科型・科目横断型の小論文試験に対し、誰が指導するのか!なんて叫んでいる高等学校は、そりゃ反対しますな。

例えば今回例題として挙げられている景観保護については、ローマや飛鳥の景観保護のことを知っていれば特に読まなくても簡単に答えられます。ただ、知っているだけでなく活用する力は多少求められますし、少ない文字数で的確に表現する力も若干問われますかね。まあ、問題文中からポイントとなる単語などを如何に早く上手く拾ってくるか、といったテクニックも従来通り必要にはなりますが。読む・書く、ということ自体に慣れていない高校生にはキツイでしょう。

あと、先日の高等教育フォーラムで講演した福岡大学附属大濠中学校・高等学校のように、理系は3年生になったら1年中マーク対策、なんて高校の理系の生徒には数学の記述式はキツイでしょう。昔は数学の答案は美しく書かなくてはならない、なんて指導されたもんですが、今は記述式の入学前教育でも、解答欄以外は白紙だったり、せっかく書いた式を全て消して答えだけ残していたり、ですから、高等学校教育に問題があることは明らかです。

いずれにせよ、時間制限のある共通試験では、取れるところを落とさない、というのが鉄則ですから、記述式の問題は結局後回しにされて回答率も正答率も下がる、もしかしたら白紙だらけということも想定されますかな。また、できるかどうかわかりませんが、大学によっては記述式問題の成績は問わない、なんてところも出てくるのでは、と思ってしまいます。なんだかんだ言っても入試の負担は減らしたいでしょうから、多くの大学が利用するでしょうし、そもそも記述式に回答できる志願者なんか殆どいない大多数の大学では、記述式問題は無視せざるを得ないのではないかと。世も末ですな。これで高等教育だなんて。